もし無許可営業なら・・・

 

当事務所では、多くの風俗営業許可申請のお手伝いをさせて頂いておりますが、開業前にしっかり許可を取ろうとするお客様からのご依頼ばかりではございません。

違法営業(無許可営業)を指摘されたり、慌てて依頼されるケースもあります。その多くは警察の一斉摘発、或いは「密告」を恐れてのことです。

 

では同業者の密告はなぜ起きるのか?。

原因は本当に単純で、「ねたみ」の場合がほとんどです。

お店が流行ってきますと、どうしても目立ちますし、同業者からすれば、「面白くない!」以外の何物でもありません。

そんな「売れてる店」=面白くないお店を一発で叩き落す方法が、違法営業の密告なのです。

許可取得済事業者は、許可証の提示を求められた場合、提示しなければならないことになっています。また警察に問い合わせれば許可事業者かどうかは簡単に教えてくれます。

そのお店が無許可かどうかなど簡単に調べられますし、密告を受けた以上は警察も動かなければなりません。

もし無許可でキャバクラ、スナック、バーなど営んでいらっしゃるとしたら、常に密告されるリスクがあるということを肝に銘じる必要があります。

 

無許可営業は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金(併科あり)となります。たまにニュース等で摘発されたという話を耳にすることもあるかと存じますが、悪質な場合は、テレビなどで逮捕映像まで出てしまうという、かなり厳しいものとなっています。

実際は警察の裁量にもよるようですが、無許可だとビルの管理会社まで責任追及されることもあるようです。

 

風俗営業は、お酒が入るだけに、客とのトラブルも多い業種です。無許可営業者は、何かトラブルがあっても警察を呼ぶことができず、無銭飲食だろうが、喧嘩だろうが、盗まれようが泣き寝入りするしかありません。

中にはお店内での喧嘩騒ぎや無銭飲食などで、従業員が警察を呼んだ際に無許可営業が発覚してしまうこともあるようですが、そういう違法営業を知りながら悪用する客もいますので、こうなってしまうとどうしようもないものと存じます。

 

また無許可営業者の場合、低利・固定・長期で融資をしてくれる日本政策金融公庫も融資はしてくれません。(将来に渡っても融資を受けられなくなります。)

そもそも風俗営業の場合、制度融資(信用保証協会付融資)は貸付対象外業種になっていますから、日本政策金融公庫で借りれなければ、低利の資金調達はないものとなります。経営が難しい状態でも、貸してくれるのはそれに付け込んだ高利の金融業者程度です。

風俗営業許可は専門家に依頼すれば、1~2回程度時間を取ってもらえれば、ほとんどの場合スムーズに手続は終ります。

費用も事務所にもよりますが、深夜酒類提供飲食店が12万円〜15万円、スナック、キャバクラ等の風俗営業許可で15万円〜20万円程度が相場です(経費除く)。その程度の金額をケチって違法営業をごまかし続けること、つまりは日々、密告や摘発にビクビクしながら営業したり、受けられる公的融資をみすみす捨ててしまうよりも、最初の段階できちんと営業許可を取得されることを強くお勧めします。

これは無許可営業が発覚した際の代償があまりに大き過ぎるから・・・無許可営業が発覚し、泣きついてくる事業者からの依頼を多数受けている当事務所だからこそ、声を大にして言えることだと思います。

 

結局、風俗営業で事業が失敗すれば残念な結果となり、うまくいっても、「ねたみ」から生じた足を引っ張ろうとする者の邪魔に遭い、残念な結果になる。何もなければ、いずれどちらかに傾くかもしれないリスクを常に負いながら、毎晩ビクついた営業を続けるには変わらず、良くも悪くもそれが無許可営業者の末路かと存じます。